どもどもパパ像です。今回のテーマはこちら「秒注意!世界最強のインデックスS&P 500に潜む罠5選」です。S&P 500は米国の大型株500銘柄に分散するインデックス投資法として最適解の一つといってよいでしょう。しかし、S&P 500に長期投資をしていれば本当に確実なリターンが得られるのでしょうか?そんな疑問を持ってしまい、なかなか投資に踏み切れない人もいるかもしれません。あるいは、あまりにも万能だと過信してしまうかもしれません。順調すぎて逆に怖いと感じる人もいるかもしれませんね。
そこで今回は、世界最強のインデックスであるS&P 500に潜む罠ということで、注意が必要なポイントを5つ取り上げてみたいと思います。早速共に学んでいきましょう。
S&P 500については、米国株を語る上で何度も話題に上がります。例えば、「必勝投資初心者にオススメの選んで買えるETF 4000」という動画でも、S&P 500に投資できるETFを詳しく紹介しています。詳しい説明はその動画にお任せするとして、今回はS&P 500についてさらっと確認しておきましょう。
S&P 500とは、株価指数(インデックス)の一つで、米国の主要産業を代表する500社によって構成されています。この指数に連動する投資信託やETFを購入すれば、米国の主要産業500株に投資するのとほぼ同じ成績が期待できるというわけですね。このチャートはS&P 500の指数のチャートで、縦軸が値、横軸が時間です。綺麗な右肩上がりで順調に伸びていますね。
S&P 500に投資をしていれば、利益が出そうな個別株を必死に探す手間をかけることなく、この右肩上がりの成績を得ることができると言えます。この図を見て、「S&P 500に投資すれば安泰なのでは?よし、S&P 500に投資しよう!」と思った方、ちょっと待ってください。すでにS&P 500に潜む罠にかかりかけているかもしれません。
最初にお話ししたように、今日はS&P 500に潜む罠についてお話しします。これからS&P 500に投資しようとしている人も、すでにS&P 500に投資している人も、一度立ち止まって次のような罠にはまっていないか確認してみてください。
目次常にプラスとは限らない
S&P 500は長期では右肩上がりで増えていますが、短期的にはどうでしょうか。この図はS&P 500の年ごとのリターンを表したものです。縦軸がリターンのパーセンテージで、0%の上に伸びる緑の棒が多いことから、プラスの年が多かったことがわかります。しかし、マイナスの年もあるのです。
特に投資を始めたばかりの頃は、思うように増えなくて退屈に感じるかもしれません。しかし、長期で見ればやはり米国株は右肩上がりであると考えています。調子が悪い時はむしろ安く仕込めるチャンスだと思えるぐらいが良いでしょう。
1928年から2020年までの歴史の中で、2年以上連続してマイナスになったのは数えるほどしかありません。例えば、世界恐慌のあった1929年からの4年連続大幅マイナスや、2000年からのITバブル崩壊などです。何年も連続してマイナスになるのはまれなことでした。
これらは過去のデータですが、長期目線でじっくりと取り組む際には心強いデータです。
必ずしもベストパフォーマンスとなるインデックスとは限らない
インデックス投資はS&P 500だけではありません。株式だけでも投資対象が全世界だったり新興国だったりと色々とあります。例えば、米国を除く全世界株というインデックスもあります。こちらの図をご覧ください。
2011年9月6日に10万ドルをETFに投資していた場合にどのように価値が変化していたかを示したものです。赤はNasdaq 100インデックスに連動するQQQというETFです。青はS&P 500に連動するVOOというETF、緑は全世界株インデックスに連動するVTというETF、黄色はアメリカを除く先進国株インデックスに連動するVEAというETF、黒はアメリカを除く全世界株に連動するCWIというETFです。
緑のVTと比べて黄色のVEAと黒のCWIの成績が低かったことがわかります。全世界に分散投資するよりも、米国のVOOに集中していた方が効率的だったということですね。
また、2003年から2013年の10年間においても、S&P 500やヨーロッパ株、新興国株の成績を比較すると、新興国への投資が最も良い成績を上げていた時期がありました。米国株よりもそれ以外の地域への投資が成績が良かったことがあったのです。
このように、米国株への投資が必ずしも勝ち続けていたわけではありません。短期的なパフォーマンスに惑わされることがないように注意したいですね。
S&P 500=ガーファム+S&P 495
S&P 500のリターンに貢献する銘柄は偏っています。ガーファム(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)のパフォーマンスが圧倒的に良いのです。一方で、S&P 495(ガーファムを除いた部分)の成績はぱっとしません。
普段私たちはS&P 500のチャートばかりを目にしますが、実際には特定の少数銘柄のおかげでプラスになっているに過ぎません。S&P 500の中身はこのようなアンバランスなパフォーマンスなのです。
しかし、S&P 500に投資しているおかげで、ガーファムのような強い銘柄にも投資が行えることになります。ブルーさんの影響で大きく増やす可能性を減らしているけれど、下がる時も緩やかになり回復期が早くなる効果があったわけです。
米国の覇権が永遠には続かない可能性
米国の覇権が続かないパターンは大きく分けて2つあります。1つは米国以外の国の調子が上がり、相対的に米国が下がっていくもの。2つ目は米国の調子が下がったり、米国そのものに負のイベントがある場合です。
まずは米国以外の国が台頭する可能性についてです。各国の2060年のGDP予測を見ると、今のところ米国のGDPがトップですが、中国の成長が目覚ましく、2030年には米国を追い越すことが予想されています。また、インドの成長も見逃せません。
しかし、人口の推移をもっと先まで予想したデータを見ると、アジア圏の成長はそう長くない可能性が示されています。アメリカは今後も人口が増え続けることが予想され、経済の強さは盤石であると考えられます。
もう一つの可能性は予期せぬ自然災害が起きるケースです。例えば、イエローストーン国立公園の大噴火などが挙げられます。こういった災害が起こる可能性は低いですが、全くゼロではありません。
人の心理は厄介だ
S&P 500に潜む罠の一つは、人の心理です。長期運用が前提なのに、時として手放したくなってしまうことがあります。これには大きく2パターンあります。
1つ目は暴落や平均的な上昇に期待外れと感じてしまう場合。2つ目は順調すぎて利確したくなる場合です。
例えば、短期間でリターンが一気に増えた時に、利確したくなることがあります。しかし、長期的な運用のためならば売らずに持ち続けたいですね。
米国株に投資し続ける根拠がなくなったのかどうか、自分が描いたストーリーを照らし合わせることが重要です。しっかりと軸を持って投資することが大切ですね。
まとめ
今回ご紹介したS&P 500に潜む罠は次の5つでした。
1. 常にプラスとは限らない
2. 必ずしもベストパフォーマンスとなるインデックスとは限らない
3. S&P 500=ガーファム+S&P 495
4. 米国の覇権が永遠には続かない可能性
5. 人の心理は厄介だ
S&P 500は世界最強のインデックスではありますが無敵ではないということですね。罠をしっかりと認識しておくことで、長期運用も安心して続けることができます。罠にかからないというより、罠にかかってしまっても無傷でいられるようになれば合格です。目先のことだけでなく、広い視点で物事を捉えていくようにしたいですね。
関連する質問と回答
S&P 500に投資する際のリスクは何ですか?
S&P 500に投資する際のリスクとしては、短期的なマイナスリターンや米国経済の停滞、特定の少数銘柄への依存などがあります。また、予期せぬ自然災害や他国の経済成長によって相対的に米国の地位が低下するリスクも考慮する必要があります。
インデックス投資と個別株投資の違いは何ですか?
インデックス投資は特定の指数(例えばS&P 500)に連動する投資信託やETFを購入することで、市場全体に分散投資する方法です。個別株投資は特定の企業の株式を購入する方法で、企業の業績に直接依存します。インデックス投資はリスクが分散されやすく、個別株投資は高リターンを狙える反面リスクも高いです。
長期投資におけるS&P 500のメリットは何ですか?
長期投資におけるS&P 500のメリットは、市場全体の成長に乗ることができる点です。また、過去のデータから見ても、長期的には右肩上がりの成績を示しており、安定したリターンが期待できます。さらに、手間をかけずに自動的に分散投資ができる点も魅力です。
他のインデックスと比較してS&P 500のパフォーマンスはどうですか?
S&P 500は過去数十年間にわたり、多くのインデックスを上回るパフォーマンスを示してきました。しかし、特定の期間や市場環境によっては、他のインデックス(例えばNasdaq 100や新興国株インデックス)がより高いリターンを示すこともあります。投資する際は、目的やリスク許容度に応じて複数のインデックスを比較することが重要です。
S&P 500に投資する際の最適な方法は何ですか?
S&P 500に投資する最適な方法としては、低コストのETFやインデックスファンドを利用することが一般的です。これにより、手数料を抑えつつ市場全体に分散投資することができます。また、定期的な積立投資を行うことで、市場の変動に左右されず、長期的な資産形成を目指すことができます。