株式投資でいつも勝ち続けるのは容易ではありません。マーケットは上昇と下落を繰り返します。それを踏まえて、長い目で見て上昇を期待できる投資をおすすめしています。原則はS&P500への投資です。S&P500への投資をコツコツ続けていると値動きに慣れてきます。さらに、性格が異なる金融商品に興味を持つようにもなってきますね。それはちょっと変わった特徴を持つインデックスかもしれません。インカム重視かもしれません。興味の範囲が広がることは良いことだと思います。そしてその結果、S&P500を上回るリターンを獲得できたらいいですね。このブログでは、プライスの水位がS&P500と比較して相対的に強い傾向がある銘柄を「勝てる銘柄」としてご紹介します。どれも知っておいて損はないですよ。早速共に学んでいきましょう。

マイクロソフト (MSFT)

勝てる銘柄一つ目はマイクロソフト (ティッカー: MSFT) です。パソコンを使う方であれば知らない方はいらっしゃらないでしょう。OSであるWindowsや業務用アプリケーションソフトのMS Officeは世界中にユーザーがいます。このような製品のユーザーは容易に他製品に切り替えないので、高いシェアを維持しやすいという特徴があります。

近年はクラウド事業も成長して売上高の約4割を占めるようになりました。視聴者さんにおなじみのS&P500において、Appleに次いで高いウェイトを占める銘柄です。株式市場における存在感も大きいですね。

Microsoftの強みは、高いシェアを持つ製品サービスから得られるキャッシュを稼ぐ力です。フリーキャッシュフローが右肩上がりですね。新型コロナウイルス感染拡大もマイクロソフトには全くネガティブではありませんでした。むしろ在宅勤務によるパソコン利用ニーズが高まり、追い風にすらなったでしょう。2021年末をピークに下落基調が続いていましたが、それでもS&P500より相対的に概ね強い動きを見せました。2023年に入ってからは力強い上昇を見せています。キャッシュを稼げる企業にお金が入りやすくなっています。10期以上連続増配中でもあり、持っていると安心できる銘柄だと思います。

シノプシス (SNPS)

勝てる銘柄2つ目はシノプシス (ティッカー: SNPS) です。耳慣れない銘柄かもしれませんが、S&P500採用企業です。EDAと呼ばれる電子設計自動化ツールを開発販売している企業です。EDAは電気系の設計作業の自動化を支援補助するためのソフトウェアやハードウェアです。シノプシスはEDAツールベンダーとして首位のシェアを持っています。

シノプシスの主な顧客は半導体製造企業です。つまり、半導体の設計はシノプシスの製品なしでは難しいということです。自動運転やAI、IoTなどの分野にも用いられています。高い技術力を必要とするので、他社が容易に新規参入できないビジネスを営んでいます。世界でもシノプシスを含めた3社で同業のシェアを占めています。ライバルが少ないということですね。

業績も好調です。2022年度のフリーキャッシュフローは2020年の約2倍に成長しています。株価も過去2年ずっとS&P500をアウトパフォームして推移しました。勝てる銘柄にふさわしい動きです。知っておいて損はありません。

ベリスクアナリティクス (VRSK)

勝てる銘柄3つ目はベリスクアナリティクス (ティッカー: VRSK) です。これもS&P500採用企業です。金融機関などに対して意思決定支援とリスク管理ソリューションを提供しているデータ分析プロバイダ企業です。一言で言えば、様々なリスクのデータを蓄えてそれに基づいた分析をしている企業です。

M&Aを多数行ってノウハウを増やしてきました。強みは顧客基盤です。提供している予測分析サービスは格付けアプリケーション、保険引き受け、保険給付、大災害、天候リスク予測、天然資源業界向けインテリジェンス、経済予測などの幅広い分野で利用されています。つまり、損害保険業務やクレジットカード会社などはベリスクアナリティクスが蓄えているデータなしには仕事ができないということです。

一方、ベリスクアナリティクス自身が競合他社が見当たらないとコメントする企業です。絶対必要とする人たちがたくさんいるのにライバルが少ないわけです。そうそう簡単に崩れないビジネスをしているということになります。フリーキャッシュフローが足元は前年比でやや低下していますが、長期的には概ね右肩上がりと言っていいでしょう。チャートを確認すると、上げ下げありますがS&P500をアウトパフォームして推移しました。S&P500が大きく下げる時はベリスクアナリティクスも下げが大きい傾向があります。言い換えれば、S&P500が下げている時にベリスクアナリティクスを買っておくと、S&P500よりも獲得できるリターンが大きくなる傾向がありそうです。

ASMLホールディング (ASML)

勝てる銘柄4つ目はASMLホールディング (ティッカー: ASML) です。この銘柄はS&P500採用銘柄ではありません。なぜならオランダの企業だからです。S&P500は米国企業のみで構成される株式インデックスです。米国市場にはたくさんの米国以外の企業が株式を上場させています。ASMLホールディングもその一つです。

ASMLは半導体の製造に使用されるフォトリソグラフィー装置メーカーです。半導体の素材の一つであるシリコンウエハーに設計した回路を焼き付ける工程で使われます。この分野は日本のキヤノンとニコンもキープレーヤーでした。しかし現在ではASMLが一強となっています。ライバルがほぼいない分野と言っていいでしょう。インテル、サムスン、台湾セミコンダクターといった主な半導体製造企業が皆ASMLホールディングの製品を使っています。

業績は直近2021年度に急拡大しました。2022年初頭から秋にかけてはきつい下げになりましたが、その後は回復してきています。欠点を一つ挙げれば1株700ドル以上とやや株価が高いことです。投資するには少し勇気が必要な銘柄かもしれません。

シンタス (CTAS)

勝てる銘柄5つ目はシンタス (ティッカー: CTAS) です。S&P500採用企業です。北米で最大シェアの制服の製造レンタル販売等を営む企業です。制服レンタル事業は日本で言うなら「制服版のダスキン」です。この事業が売上高の約8割を占めます。

制服レンタル事業を簡単にお話ししましょう。定期的にシンタスの担当者が事業所等を訪ね、前回の訪問以降に着用した制服などを受け取り、次の処理に清潔な状態にして納めます。従業員の数の変化などに応じて提供する数も変えます。人々の体型は様々です。多様なサイズの制服を自前で用意するのではなく、シンタスにアウトソーシングした方が在庫管理でも合理的ですし、衛生面でも優れています。

M&Aに積極的な企業です。ビジネスモデルがシンプルなので、M&Aで顧客を獲得することがシンプルに業績にプラス寄与します。現在では北米、南米、ヨーロッパ、アジアのトータル100万以上の事業所がシンタスのサービスを利用しています。業績は好調です。コロナ禍では働く人を含めてステイホームを必要としました。これは事業所の制服のメンテナンス事業の業績にネガティブに寄与する可能性がありました。制服を着用する人が減っていたからです。しかし業績は堅調でした。今や人手不足が深刻な米国ではこのようなアウトソーシングサービスは重宝されるでしょう。株価も好調で、S&P500を大きくアウトパフォームして推移しています。株価が500ドル程度とやや高く感じることが欠点かもしれません。

パロアルトネットワークス (PANW)

勝てる銘柄6つ目はパロアルトネットワークス (ティッカー: PANW) です。パロアルトネットワークスは2005年に設立された米国のサイバーセキュリティ企業です。サイバーセキュリティは今やどんな事業においても欠かせない事業案件です。結果として、世界150カ国以上の様々な業界に8万5000を超える顧客がいます。

2007年に最初のファイアウォールを製造出荷しています。世界で初めて次世代ファイアウォールという名称を打ち立てブランド化しました。ファイアウォールとは企業などの内部ネットワークにインターネットを通して侵入してくる不正なアクセスから守るための防火壁です。このような商品は一度利用すると、極端な欠陥が見つかったとか、ものすごく高額になったとかいうことがない限り、顧客は他社製品に変えづらいです。ですから、一度獲得した顧客はバージョンアップ後も利用してくれることが多いです。

一方で研究開発やセールスマーケティングにお金をかけてきたため、赤字決算が続いてきました。企業側が事業の成長のために必要だと割り切っていたのです。S&P500には赤字企業が採用されません。したがって他の採用要件は以前から満たしていましたが、S&P500の仲間入りをできていませんでした。しかし、2022年10月期から4四半期連続で黒字決算になり、S&P500採用要件を満たしたのです。その結果、S&P500の採用が決まりました。

2023年6月にS&P500に採用されたため、S&P500の新米です。ブログでは以前から取り上げていました。パロアルトネットワークスの株価は1ヶ月で約30%上昇しました。2022年7月まで赤字企業でしたが、キャッシュはきちんと稼げていました。稼いだキャッシュはM&Aに使われることが多かったです。その結果、事業を拡大できたというわけです。株価は2年で2倍になりました。サイバーセキュリティ対策需要は今後拡大こそすれ、縮小することはないでしょう。今後も業績成長を伴って株価の伸びを期待できます。

ヴァンエックモーニングスターワイドモートETF (MOAT)

最後にETFを一つご紹介します。ヴァンエックモーニングスターワイドモートETF (ティッカー: MOAT) です。少し名前が長いので、このブログでは「モート」と呼びます。ワイドモートは初めて聞いた方がいらっしゃるでしょうか。実は米国株投資で比較的よく使われる言葉です。ワイドは幅が広い、モートは堀の意味です。

つまり、米国株投資におけるワイドモートは「経済的優位性」や「経済的な堀」と日本語で表現されます。モートは経済的優位性を持つ企業で構成されたETFです。約50銘柄が組み込まれています。メタ、Microsoft、アルファベット、Amazonといったおなじみの企業がウェイト上位にいます。また、ウォルトディズニーやブラックロック、ドミノピザといった企業も組み込まれています。一方、Appleは含まれていません。

経済的優位性を有する企業はそれぞれの企業が存在している製品やサービスで高いシェアを有しているケースが多いです。わかりやすく言えば、各分野のトップ企業を集めて運用しているETFということです。ETFですので経費が発生します。経費率はS&P500連動商品に比べると高いです。過去2年は直近を除くとS&P500に見劣りする推移です。しかし、5年で見るとS&P500をアウトパフォームしています。やや高い経費率を投資家に負担してもらいつつ、S&P500を長期的にアウトパフォームしているのは素晴らしいですね。また、一口80ドル程度で買えるので、比較的気軽に取引できると思います。

モートを素直に買うのもストラテジーとしてもちろんありです。モートの使い方はもう一つあります。経済的優位性を有する企業はマーケットの低迷期であっても業績が底堅い企業だと考えられます。営むビジネスのシェアが高いからです。ですから、個別株投資の際にマーケットが弱い時に相対的に強い銘柄は何だろうと思った場合、モートの構成銘柄は答えの候補になりうるでしょう。

以上、6つの個別株と一つのETFをご紹介しました。米国市場の銘柄は証券会社によって取り扱いがあるものとないものがあります。こちらの表に5大オンライン証券に関してご紹介した銘柄の取り扱いをまとめました。モート以外は5社で取り扱われています。

まとめ

プライスの推移がS&P500と比較して相対的に強い傾向がある銘柄を勝てる銘柄として7つ紹介しました。

1. マイクロソフト (ティッカー: MSFT)
2. シノプシス (ティッカー: SNPS)
3. ベリスクアナリティクス (ティッカー: VRSK)
4. ASMLホールディング (ティッカー: ASML)
5. シンタス (ティッカー: CTAS)
6. パロアルトネットワークス (ティッカー: PANW)
7. ヴァンエックモーニングスターワイドモートETF (ティッカー: MOAT)

これからの投資戦略の参考になりましたでしょうか。この記事が役に立ったと思っていただけましたら、お友達に紹介していただいたり、この記事にいいねやフォローをしていただけるととっても励みになります。人生二度なし、皆さんの投資活動を応援しています。共に頑張りましょう。

関連する質問と回答

Q1: S&P500への投資はなぜおすすめなのですか?

A1: S&P500は米国の代表的な株式インデックスで、500社の大型企業で構成されています。長期的に見て、安定したリターンを期待できるため、初心者から経験者まで広くおすすめされています。

Q2: フリーキャッシュフローとは何ですか?

A2: フ

投稿者 Nakamura Shinichi