経済的自由を得て早期リタイアを実現する「FIRE」について、そのメリットとデメリットを紹介します。FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字を取ったもので、経済的に自立して早期に退職することを意味します。2019年に実際にFIREを達成し、約3年間その生活を続けてきた経験から得た知見をメリットとデメリットに分けてお伝えします。
目次FIREとは何か
FIREとは、経済的自由を得て早期退職することを指します。具体的には、資産からの収入が生活費を上回る状態を作り出し、働かずに生活できるようになることを意味します。このためには、資産運用や不労所得、配当所得、不動産所得など、さまざまな収入源が必要です。特に「4%ルール」が有名で、総資産額の4%が年間の生活費を上回ることが目安とされています。
時間の余裕ができて効率的に使える
FIREの最も大きなメリットの一つは、時間の余裕ができることです。会社勤務時代には、出社準備や通勤、会議などに多くの時間が割かれていましたが、それが無くなることで、自由に時間を使えるようになります。さらに、効率的に時間を使うことができるため、生産性が向上します。組織の煩雑な手続きや会議から解放され、自分にとって有意義な活動に集中できるようになるのです。
ストレスがなくなり健康になる
時間の余裕ができると心にも余裕が生まれ、ストレスが大幅に減少します。これは健康にも良い影響を与え、人間ドックの結果も向上しました。組織でのストレスから解放されることで、体調が良くなり、心身ともに健康を取り戻すことができました。特に肝臓の数値が改善されたのは驚きでした。
意外とお金はいらない
FIREを達成すると、意外にもお金が減らないことが分かりました。これは資産運用の効果と、ストレスによる支出が減るためです。例えば、ストレス解消のために使っていたお金が減ることで、生活費が抑えられます。また、資産が増えれば増えるほど、運用益も大きくなるため、経済的にはむしろ安定します。
思う存分好きなことができる
FIREのもう一つの大きなメリットは、興味のあることに思う存分取り組めることです。以前は時間がなくてできなかった趣味や旅行、学びたいことに自由に時間を使えるようになります。経済的な心配がないため、好きなことや夢を追いかけることができ、人生の充実感が増します。
自分で時間の使い方を決めなければいけない
FIREのデメリットとして、自分で時間の使い方を決めなければならない点が挙げられます。これは一見メリットに見えますが、計画性がないとだらけてしまう可能性があります。何もしないで過ごすと、ネガティブな考えにとらわれがちで、精神的にバランスを崩すこともあります。会社員時代に比べると、運動不足や人付き合いの減少も懸念されます。
急な出費への対応が難しくなる
生活費ギリギリの収入でFIREを実現すると、急な出費に対応するのが難しくなります。冠婚葬祭や高額な買い物など、予期しない支出が発生すると、経済的な不安が増すことがあります。生活費以外の支出も計画に含めて、余裕を持った資産運用が必要です。また、住民税や社会保険料などの支出のタイミングにも注意が必要です。
再就職が難しくなる
FIRE後に再就職を考える場合、年齢やスキルによっては難しくなることがあります。特に長期間の空白期間があると、その説明が難しくなります。再就職を視野に入れている場合は、法人化して経営者としての経験を積むなど、社会との接点を持ち続けることが重要です。
既存のつながりが絶たれる可能性がある
FIREの概念はまだ一般的には浸透しておらず、周囲の理解を得るのが難しい場合があります。職場の人や家族、友人が全員喜んでくれるとは限りません。場合によっては、退職を秘密にしておく方が良いこともあります。既存のつながりを保つためには、独立経営者としての体裁を整えることも一つの方法です。
まとめ
FIREを実現することで得られるメリットは非常に大きいですが、デメリットも存在します。しっかりとした準備と計画を立てることで、これらのデメリットを回避することができます。FIREを目指す皆さんが、経済的自由を手に入れて充実した生活を送れるよう、私の経験が参考になれば幸いです。
関連する質問と回答
Q: FIREを達成するための最初のステップは何ですか?
A: 最初のステップは、現在の収入と支出を見直し、どれだけの資産が必要かを計算することです。次に、資産運用や副業などで収入源を増やす計画を立てましょう。
Q: どのような資産運用がFIREに適していますか?
A: 長期的に安定したリターンを期待できる株式投資や、不動産投資が適しています。リスクを分散するために、複数の収入源を持つことが望ましいです。
Q: FIRE後の生活費はどのように計算すれば良いですか?
A: 生活費の計算には、現在の生活費に加えて、予期しない支出や税金、保険料なども含めることが重要です。4%ルールを参考にすると良いでしょう。
Q: FIRE後に再就職を考えた場合、どのような準備が必要ですか?
A: 再就職を視野に入れている場合は、スキルの維持や新たなスキルの習得が重要です。また、法人化して経営経験を積むなど、社会との接点を持ち続けましょう。
Q: FIREを実現するために必要な資産額の目安は何ですか?
A: 年間生活費の25倍の資産が目安とされています。これは資産の4%を年間生活費として引き出すことで、長期間にわたって資産が枯渇しないようにするためです。