ローリスクとはお金を増やす最強の投資法です。誰しもお金が減ってしまうのは嫌ですよね。できるだけお金を減らさないようにしたい、だけどできるだけたくさんお金を増やしたい。このように考える方も多いのではないでしょうか。でもちょっと待ってください。もしかしたらリスクという言葉の意味を誤解しているかもしれません。そこで今日は資産運用の世界で使われるリスクという言葉について確認していきます。安全と思っていた運用方法にも実は隠れリスクが潜んでいるかもしれません。また、危ないからと避けていたけど実はローリスクで安心できる投資もあるかもしれません。リスク管理が大事です。リスクと向き合い、上手に運用できるようになれるのが良いですね。それでは今日もともに学んでいきましょう。
目次リスクとは何か
リスクという言葉を耳にすることがたびたびあると思います。日本語では危険そのものを指すことが多く、例えば「この先は崖崩れのリスクがあるから迂回しよう」という風に使われます。リスクとは避けるべき危険なものという考え方が強いようです。しかしながら、リスクのもともとの語源は少しニュアンスが違います。リスクの語源は一節にはラテン語の「リジカーレ」に由来するとも言われています。「リジカーレ」とは「岩山の間を航行する」という意味で、危ないことを承知で前に踏み出すという意味合いです。もう一つの説はイタリア語の「リスキアーレ」という言葉です。これは「勇気を持って試みること」意味します。どちらも意味合いとしては似ており、危険そのものを意味するだけでなく、あえて挑戦するという意味が含まれます。
また、英語のリスクは危険や機器そのものを意味するだけではなく、危険なことが起こる可能性を指す時にも使われます。似たような言葉に「ハザード」があります。ハザードは悪い状況が生じるかどうか不確実な場合に使われます。一方、リスクは不確実であることを確率的に計測できる点でハザードとは違いがあります。
リスクの種類とその管理方法
金融の世界ではリスクは悪いことだけに使われるものではなく、良い方に上振れる時にもリスクと表現します。わかりやすいように英語では「ボラティリティ」という表現が使われることも多いです。つまり、危険という意味ではなく、変動性やばらつきの度合いを意味しています。もちろん危険という意味でもリスクという言葉が使われることがありますが、そこは文脈に応じて判断するしかないのです。
投資や資産運用について学ぶときにはリスクという言葉がしばしば出てきます。それが危険という意味なのか、ばらつきを意味するのかを意識的に確認しましょう。一般的にリスクが高いとは変動幅が大きいことを意味します。例えば、S&P500の期待リターンは長期的には7%前後と言われていますが、短期間では大きく上下することがあります。一方、預貯金はリスクが低い投資といえます。これは危険性が少ないということではなく、価値の変動が少ないことを意味しています。
ローリスクの投資方法の実態
できるだけリスクの低い運用をするにはどのような方法があるでしょうか。預貯金や学資保険は元本が保証されていて安心感が高いですね。少なくとも預けた金額分は戻ってくることが期待できます。しかし、これらの運用方法が本当にローリスクなのでしょうか。
例えば、受取率109%の学資保険という商品を考えてみます。契約者が25歳男性で子供が0歳、21歳満期の契約条件で、274万9776円を一括で支払うと満期までに300万円受け取ることができます。しかし、市場金利情勢によっては取り扱いが変更となる場合があるため、金利リスクを保有していることになります。また、保険会社そのものが破綻する可能性もゼロではありません。
インフレリスクを侮るな
預貯金や保険は元本割れの心配が少ない分、利回りが低いことはお話しました。ここでもう一つのリスク、インフレについてお話ししていきます。インフレとは物価が継続的に上昇することを意味します。インフレになるとお金の価値が下がることを意味し、インフレ率より低い利回りで運用すると将来的な価値が目減りする可能性があります。例えば、先ほどの学資保険の利回りを計算すると年利換算で約0.415%でした。インフレ率には追いつかない水準です。
ハイリスクの投資方法
ローリスクの運用でも実質の資産価値が目減りする可能性があることがわかりました。では、ハイリスクとされるものには何があるでしょうか。例えば、FX、CFD、商品先物、株、債券、金などが挙げられます。これらの運用にはそれぞれ独自のリスクが存在します。
FXでは次のようなリスクがあります。
価格変動リスク
価格が変動する可能性があることで、利益を得られる可能性もありますが、損失を被るリスクも伴います。
信用リスク
FX会社の信用性のリスクがあり、財務状況次第では適切な運営ができなくなる可能性があります。
スワップポイントリスク
スワップポイントで損益が発生することを意味し、ポジションによっては為替差損益以上に損益が動く可能性もあります。
ロスカットリスク
ロスカットによって意図しない強制決済が生じることを意味し、証拠金以上に損失が膨らんだ時に強制的に決済されます。
流動性リスク
取引が閑散となることで値動きが荒くなることを意味し、祝日や市場が閉じている時間帯は流動性が低くなりがちです。
債券や金の投資
債券や金は手堅い投資として需要がある資産です。運用の仕方としては現物でもったりETFで運用したりいくつか方法がありますが、これらにもリスクが伴います。例えば、現物の債券は満期まで持ち切れば価値の変動は気にならないかもしれませんが、途中で売却するとなるとその時の金利状況によって価値は変動します。金はドルベースで計算されるため、為替リスクとも一体となっています。現物の金は盗難リスクが伴い、防犯設備や金庫の調達にコストがかかります。
リスクと上手に付き合う方法
どのような運用にもリスクがあるなら、どうやって運用したら良いのでしょうか。大事なポイントはリスクと上手に付き合い、保有できるリスクは保有することです。そして、分散投資などでリスクを分散、低減、相殺させていくのが良いです。全体的なリスクをできるだけ小さくして運用する方法が一番良いです。その具体的な方法が安全資産を確保した上で米国投資をするというやり方です。
株式投資の魅力
株はハイリスクなのになぜ投資先として優れているのでしょうか。株は短期ではブレが大きいですが、長期的には右肩上がりで増えています。例えば、1802年からの超長期のデータを見ると、株式は一貫して右肩上がりで増えています。債券や金は緩やかな右肩上がりで、通貨は一貫して右肩下がりです。長期的に運用し続けると株式はリスクに見合うリターンが期待できるわけです。
インデックス投資の魅力
長期的な運用には株式が有利であることが理解できたと思います。それでも個々の株式は変動が大きく、初心者さんが参加するにはハードルが高いです。それでは株式のリスクを抑えて運用するにはどうしたら良いでしょうか。答えはインデックスの投資信託です。インデックス投資であれば、米国の優良企業にまんべんなく投資でき、長期的には年利5%から7%のリターンが期待できます。
リスクと上手に付き合うための戦略
リスクとは何が何でも避けるべき恐ろしいものではなく、確率的に計測できる不確実なことを意味します。どのような資産運用にもリスクはつきものであり、例え預貯金であってもリスクとは無縁ではありません。それぞれのリスクを理解し、許容できる範囲内で保有していくことが大事です。長期的には株式系の分散投資がローリスクで有効な運用方法と言えます。しかし、株式は短期的には振れ幅が大きいため、生活防衛資金を確保することも重要です。突発的な出費に備えて十分な生活資金を蓄えておくことを基準にし、インフレリスクに備えてインデックス投資をするのが良いでしょう。それぞれのリスクをバランスよく保有していくのが良いですね。
関連する質問と回答
1. リスクとは何ですか?
リスクとは、確率的に計測できる不確実なことを意味します。金融の世界では、変動性やばらつきの度合いを指し、危険そのものだけでなく、良い結果が生じる可能性も含めて使われます。
2. インフレリスクとは何ですか?
インフレリスクとは、物価が継続的に上昇することで、お金の価値が下がるリスクを指します。インフレ率より低い利回りで運用すると、将来的な価値が目減りする可能性があります。
3. ローリスクの投資方法にはどんなものがありますか?
ローリスクの投資方法には、預貯金や学資保険があります。これらは元本が保証されていて安心感が高いですが、インフレリスクや金利リスクも考慮する必要があります。
4. ハイリスクの投資方法にはどんなものがありますか?
ハイリスクの投資方法には、FX、CFD、商品先物、株、債券、金などがあります。これらにはそれぞれ独自のリスクが存在し、慎重なリスク管理が必要です。
5. インデックス投資のメリットは何ですか?
インデックス投資のメリットは、分散投資によってリスクを抑えつつ、長期的に安定したリターンが期待できる点です。S&P500や米国株式のインデックス投資であれば、米国の優良企業にまんべんなく投資できます。