今回のテーマは、新しいNISAで米国株と全世界株式のどちらに投資するべきかという究極の選択についてです。投資家の皆さんがどちらが良いのか悩むことが多いこのテーマについて、具体的な商品を紹介しながら、どちらが自分に合っているのかを考えるための情報を提供します。
目次米国株と全世界株式の違いを理解する
米国株投資と全世界株投資にはそれぞれ異なる特性とメリットがあります。まず、米国株投資は、非常に成長性の高い市場に集中投資する方法です。代表的な指数としては、S&P500とクリスプ米国総合指数があります。S&P500は、米国の優秀な上場企業500社の集まりであり、クリスプ米国総合指数は、米国市場に上場する株式の99%以上をカバーしています。
一方、全世界株投資は、成長国や新興国などを含む幅広い国の株式に分散投資する方法です。代表的な指数は、MSCIオールカントリーワールドインデックス(ACWI)で、先進国と新興国合わせて44カ国の株式で構成されています。全世界株投資のメリットは、広範な分散投資によるリスク低減です。一方で、各国の成長性にばらつきがあるため、リターンが低くなる可能性もあります。
米国株投資のメリットとデメリット
米国株投資の最大のメリットは、成長性の高い米国市場に集中投資できる点です。過去30年間を振り返ると、米国株のリターンは他の市場と比較して非常に高いものでした。S&P500に採用されている企業は、売上の約4割を米国以外で稼いでいるため、米国株に投資することで世界経済の成長も取り込むことができます。
デメリットとしては、アメリカ一国の経済成長に依存するリスクを負うことです。仮に米国経済が低迷した場合、その影響を直接受けることになります。しかし、米国の大企業は多国籍企業であり、グローバルに事業を展開しているため、このリスクはある程度軽減されます。
全世界株投資のメリットとデメリット
全世界株投資のメリットは、成長国や新興国などの広範な分散投資ができる点です。44カ国に分散投資することで、一国の経済状況に左右されにくくなります。特に新興国の成長を取り込むことができるため、長期的なリターンが期待できます。
デメリットは、成長性が低い国や効率性の悪い国も含まれているため、全体のリターンが米国株投資よりも低くなる可能性がある点です。また、各国の市場規模に応じて投資が行われるため、米国株の比率が高いことも一因です。
資産形成期における投資戦略
これから資産を作りたいと考えている投資家にとっては、まずは米国株集中投資が適していると考えられます。過去30年間のデータを見ても、米国株のリターンは他の市場に比べて非常に高いものでした。さらに、米国は人口増加と株主重視の環境が整っており、今後の成長も期待できます。
資産が大きくなるまでは集中投資を続けることをお勧めします。一定の資産規模に達したら、リスク分散のために全世界株投資を検討するのが理想的です。資産形成期には、より高い成長が期待できる投資先に資産を集中させることが合理的です。
新しいNISAで購入できる具体的な商品
新しいNISAの積み立て投資枠で購入できる投資信託を、米国株と全世界株式のそれぞれで紹介します。
S&P500連動投資信託
1. 楽天S&P500インデックスファンド
- 楽天投信投資顧問が運用
- 信託報酬率:0.078%
- 準資産:100億円超
- 販売会社:2社
2. eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- 三菱UFJアセットマネジメントが運用
- 信託報酬率:0.1%未満
- 準資産:約3兆円
- 販売会社:39社
3. SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- SBIアセットマネジメントが運用
- 信託報酬率:0.1%未満
- 準資産:約1兆円
- 販売会社:SBI証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券
全米株式連動投資信託
1. SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
- SBIアセットマネジメントが運用
- 信託報酬率:0.1%未満
- 準資産:2000億円超
- 販売会社:SBI証券、auカブコム証券、松井証券
2. 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 楽天投信投資顧問が運用
- 信託報酬率:後発のSBI・V・全米株式インデックス・ファンドに劣る
- 準資産:約1兆円
- 販売会社:多い
全世界株式連動投資信託
1. 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド
- 楽天投信投資顧問が運用
- 信託報酬率:低い
- 販売会社:少ない
2. eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
- 三菱UFJアセットマネジメントが運用
- 準資産:約1兆円
- 販売会社:40社近い
3. SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- SBIアセットマネジメントが運用
- フィッツグローバルオールキャップインデックス連動
- 根強い人気
日本を除く先進国株式インデックス
日本を除く先進国の株式に投資したい場合、MSCI国際という代表的な指数があります。これは、日本を除く22カ国の先進国株式をカバーしています。
MSCI国際連動投資信託
1. ニッセイ外国株式インデックスファンド
- ニッセイアセットマネジメントが運用
- 信託報酬率:引き下げ実施
- 準資産:積立てNISAで人気
2. eMAXIS先進国株式インデックス
- 三菱UFJアセットマネジメントが運用
- ニッセイ外国株式インデックスファンドと同等
3. たわらノーロード先進国株式
- アセットマネジメントOneが運用
- 販売チャネル:83社
まとめ
米国株と全世界株式のどちらが良いかについては、個々の投資家の目的やリスク許容度によります。米国株投資のメリットは成長性の高さであり、デメリットはアメリカ一国の成長に依存するリスクです。全世界株投資のメリットは広範な分散投資が可能であること、デメリットはリターンが低くなる可能性があることです。
資産形成期の投資家には、当面は米国株集中投資をお勧めします。資産が大きくなるまでは集中投資を続け、一定の資産規模に達したら分散投資を検討するのが理想的です。新しいNISAの積み立て投資枠で購入できる投資信託も紹介しましたので、参考にしていただければと思います。
関連する質問と回答
Q1: 米国株と全世界株式のどちらに投資すべきですか?
A1: 個々の投資目標やリスク許容度によります。成長性を重視するなら米国株、リスク分散を重視するなら全世界株式が適しています。
Q2: 新しいNISAで米国株と全世界株式のどちらを選ぶべきですか?
A2: 資産形成期には米国株集中投資が合理的です。ただし、リスク分散を考えるなら全世界株式も検討する価値があります。
Q3: 米国株投資のリスクは何ですか?
A3: 米国経済の低迷に直接影響を受けるリスクがあります。ただし、米国の大企業は多国籍企業であり、リスクはある程度軽減されます。
Q4: 全世界株投資のメリットは何ですか?
A4: 広範な分散投資が可能であり、一国の経済状況に左右されにくい点です。また、新興国の成長を取り込むことができます。
Q5: 資産形成期の投資戦略はどうあるべきですか?
A5: 資産形成期には、成長性の高い投資先に集中投資することが合理的です。資産が大きくなるまでは集中投資を続け、分散投資を検討するのが理想的です。