米国株投資はここ10年間で非常に好調でした。例えば、VTI(全米株式インデックスファンド)は10年前の64ドルから現在約200ドルに成長し、単純計算で年率14%の成長を遂げています。しかし、投資の世界はそんなに甘くはありません。途中で様々な誘惑や罠があります。今回は絶対に避けたい米国株投資の負けパターン7戦をご紹介します。
目次短期で売買を繰り返す
短期で売買を繰り返すことは、米国株投資の代表的な負けパターンの一つです。短期売買には以下のデメリットがあります。
手数料が増える
短期売買を繰り返すと、取引ごとに手数料がかかります。例えば、SBI証券の米国株の売買手数料は約定代金の0.495%です。10万円分の株を購入すると495円の手数料がかかり、100万円分なら4,950円となります。これを繰り返すことで手数料が大きく膨らみ、利益を圧迫します。
値下がりリスクが高い
短期売買は市場のタイミングを見計らって行う必要があり、非常に難易度が高いです。市場の動向を正確に予測することはほぼ不可能であり、値下がりリスクも高まります。長期投資に比べてストレスが多く、結果的に損失を招くことが多いです。
業績が良くない銘柄を持ち続ける
業績が芳しくない銘柄を持ち続けることも投資の失敗要因です。特定の銘柄に固執し続けることはリスクが高いです。
自信過剰バイアス
自分の判断に対して根拠のない自信を持つことが、自信過剰バイアスです。このバイアスが働くと、業績が悪い銘柄を持ち続けてしまうことがあります。例えば、ビヨンドミートは代替肉市場で注目されましたが、業績が低迷し株価も下落傾向にあります。投資家の期待に沿わない業績が続く銘柄は、早期に見切りをつけることが求められます。
先行きが見えない業界に投資する
将来の展望が見えにくい業界に投資することもリスクが高いです。企業の過去の業績が未来を保証するわけではありません。
業界の動向を把握する
例えば、百貨店業界はEコマースの拡大により苦戦しています。メイシーズなどの伝統的な百貨店は売上の伸び悩みや利益減少が続いており、アマゾンやShopifyといったオンラインショッピングのシェアを奪うことは容易ではありません。このような業界に投資することは避けるべきです。
手数料の高いファンドで運用する
手数料の高いファンドに投資することは、資産を減らす原因となります。特にアクティブファンドは信託報酬が高くなりがちです。
低コストのインデックスファンドを選ぶ
S&P 500やMSCI国際などに連動するインデックスファンドは信託報酬が0.03%から0.2%程度と低コストです。一方、アクティブファンドは信託報酬が2%以上になることもあります。高コストのファンドは年間コストが大きく、長期的なリターンを圧迫します。
話題の個別銘柄に飛び乗り続ける
SNSやメディアで話題の銘柄ばかりを買い続けることも危険です。これをミーム銘柄と呼びます。
短期的な値動きに惑わされる
例えば、2021年に話題となったゲームストップは短期間で株価が急上昇した後、急降下しました。このような銘柄に飛びつくことは非常にリスクが高く、一度の失敗で大きな損失を被る可能性があります。
よく調べず雰囲気で投資する
事前によく調べずに投資することは、損失を招くリスクが高いです。
企業の基本情報を把握する
投資する企業の過去の業績や今後の業績予想、独自の強み、業界の動向などをよく調べることが重要です。例えば、マイクロソフトは安定した成長を続けており、クラウドコンピューティング市場でも強みを持っています。このような情報を把握することで、短期的な株価の下落時にも冷静に対処できます。
生活防衛資金を確保せずに投資する
生活防衛資金を確保せずに投資することは非常に危険です。
生活防衛資金の確保
リストラや病気など緊急時に備えて、3カ月から6カ月、余裕を持って1年分の生活費を確保しておくことが重要です。この資金を確保せずに投資を始めると、いざという時に生活が破綻するリスクがあります。また、投資で一時的に資金を減らしてしまった場合の精神的なプレッシャーも大きくなります。
まとめ
今回は、絶対に避けたい米国株投資の負けパターン7戦について解説しました。以下の7つのポイントを押さえることで、負けない投資を実現しましょう。
1. 短期で売買を繰り返すことを避ける
2. 業績が良くない銘柄を持ち続けない
3. 先行きが見えない業界に投資しない
4. 手数料の高いファンドで運用しない
5. 話題の個別銘柄に飛び乗り続けない
6. よく調べずに雰囲気で投資しない
7. 生活防衛資金を確保せずに投資しない
これらのポイントを守ることで、着実に資産を増やすことができるでしょう。
関連する質問と回答
Q1: インデックスファンドとアクティブファンドの違いは何ですか?
A1: インデックスファンドは特定の市場指数に連動するように設計されたファンドで、低コストが特徴です。一方、アクティブファンドは運用マネージャーが銘柄選びを行い、市場平均を上回るリターンを目指すファンドで、手数料が高くなる傾向があります。
Q2: 短期売買のデメリットは何ですか?
A2: 短期売買のデメリットは、手数料が増えることと、値下がりリスクが高いことです。頻繁な取引は手数料が積み重なり、利益を圧迫します。また、市場のタイミングを正確に予測することが難しく、値下がりリスクも高まります。
Q3: 生活防衛資金とは何ですか?
A3: 生活防衛資金とは、リストラや病気などの緊急時に備えて、3カ月から6カ月、または1年分の生活費を確保しておくための資金です。この資金を確保せずに投資を行うと、いざという時に生活が破綻するリスクがあります。
Q4: ミーム銘柄とは何ですか?
A4: ミーム銘柄とは、インターネットの情報掲示板やSNSで注目を集め、一時的に株価が急上昇する銘柄のことです。企業の業績に関係なく短期的な値動きに影響されやすく、リスクが高いです。
Q5: 企業の基本情報を把握する方法は?
A5: 企業の基本情報を把握するためには、過去の業績や今後の業績予想、独自の強み、業界の動向、経済状況などを調査する必要があります。これにより、投資する企業の将来性やリスクを理解しやすくなります。