不動産投資に興味がある方も多いのではないでしょうか。定期的な家賃収入は非常に魅力的ですが、不動産は多くの人にとって非常に高額であり、気軽に購入できるものではありません。しかし、ご安心ください。不動産を証券化したリート(REIT)という商品を活用することで、少額からでも不動産投資を行うことが可能です。この記事では、不動産投資やREITについて詳しく解説し、おすすめの米国リートETFも紹介します。

分散投資の重要性

資産運用のリスクを抑えるためには分散投資が基本です。分散投資には大きく分けて「時間の分散」と「対象の分散」があります。

時間の分散

  • 購入する時期を分散させることで、価格変動のリスクを避けることができます。代表的な方法としてドルコスト平均法があります。これは定期的に一定額を投資することで、購入価格の平均化を図る手法です。

対象の分散

  • 値動きの異なる複数の資産に投資することで、資産全体の変動をマイルドにすることができます。例えば、株式、債券、金、不動産などに分散投資することで、リスクを分散させながら安定的なリターンを狙うことができます。

株式と不動産の相関性

株式と不動産の値動きについて相関性を見てみると、必ずしも同じ動きをするわけではありません。例えば、2008年のリーマンショックの際には日経平均株価が約50%も下落しましたが、マンション不動産価格の下落幅は5%ほどでした。不動産価格は実需に依存するため、株式よりも下落幅が小さいことがあるのです。

一方で、2015年のチャイナショックの際には日経平均株価が15%下落しましたが、不動産価格は緩やかに上昇を続けました。このように、不動産価格と株価の相関性は絶対ではないことがわかります。

家賃収入の安定性

家賃収入は不動産投資の大きな魅力の一つです。例えば、2008年から2020年の間、東京のワンルームマンションの家賃はほとんど変化していません。景気が悪くなっても家賃はなかなか下がらないため、安定した収入が得られるのです。これは、株価が下がっても家賃収入が安定していることを意味し、精神的にも心強い要素と言えるでしょう。

手軽な不動産投資としてのREIT

不動産投資には多額の費用が必要ですが、REITを活用することで少額からでも不動産投資が可能になります。REIT(Real Estate Investment Trust)は、不動産投資を専門に行う会社の証券のようなもので、証券市場で簡単に売買できます。

REITは、投資家から集めた資金をもとに不動産を購入し、そこで得られた賃料収入や不動産の譲渡益を投資家に分配する仕組みです。これにより、投資家は間接的に不動産のオーナーになることができます。

現物不動産とREITの違い

現物不動産とREITにはそれぞれ特徴があります。以下にその違いを比較してみましょう。

投資対象の違い

  • 現物不動産:主に個人向け住宅が対象。商業ビルやホテルは金額が大きく個人では難しい。
  • REIT:住宅、オフィス、ホテル、商業施設など様々な業種に投資可能。

分散の効き具合

  • 現物不動産:1件ごとの集中投資になりやすく、リスクが高い。
  • REIT:複数の物件に分散投資できるため、リスクが低減。

必要な資金

  • 現物不動産:数千万円から数億円。
  • REIT:1万円台の少額から投資可能。

維持管理の手間

  • 現物不動産:投資家自身が行うか業者に委託する必要がある。
  • REIT:維持管理は専門家が行うため、手間がかからない。

おすすめの米国REIT ETF

ここでは、初心者にもおすすめの米国REIT ETFを3つ紹介します。

1. IYR(米国不動産ETF)

  • 通貨:ドル建て
  • 経費率:0.41%
  • 純資産総額:約70億ドル
  • 銘柄数:87銘柄
  • 分配金利回り:1.7%

2. RWR(ダウジョーンズ米国REIT ETF)

  • 通貨:ドル建て
  • 経費率:0.25%
  • 純資産総額:約20億ドル
  • 銘柄数:113銘柄
  • 分配金利回り:3.03%

3. 1659(iシェアーズ米国REIT ETF)

  • 通貨:円建て
  • 経費率:0.2%
  • 純資産総額:約160億円
  • 銘柄数:145銘柄
  • 分配金利回り:1.57%

買ってはいけないREITの特徴

REITの中には買ってはいけない商品もあります。その特徴は以下の2つです。

毎月分配型

  • 分配金を高く見せるために元本を削り、見た目上の利回りを高くしている商品があります。これにより、売却時の価格が元本を下回り、全体として赤字になることがあります。

為替ヘッジあり

  • 為替の影響を小さくするためにヘッジを行い、その分手数料がかかります。長期投資であれば為替の影響は購買力平価などに収束するため、為替ヘッジは必要ありません。

関連する質問と回答

REITとは何ですか?

REITはReal Estate Investment Trustの略で、不動産投資信託のことを指します。投資家から集めた資金をもとに不動産を購入し、賃料収入や譲渡益を分配します。

REITと現物不動産の違いは何ですか?

REITは少額から投資可能で、維持管理の手間がかからない点が魅力です。一方、現物不動産は多額の資金と知識が必要ですが、節税効果や自分でリノベーションして付加価値をつけることが可能です。

おすすめの米国REIT ETFは何ですか?

初心者にはIYR、RWR、1659の3つをおすすめします。これらは日本の証券会社で購入でき、分散が効いているためリスクが低減されています。

毎月分配型REITはなぜ避けるべきですか?

毎月分配型REITは元本を削って分配金を高く見せている商品があるため、全体として赤字になるリスクがあります。

為替ヘッジありのREITは避けるべきですか?

為替ヘッジありの商品は手数料がかかるため、長期投資には向いていません。為替の影響が気になる場合は現金の割合で調整する方が良いでしょう。

投稿者 Nakamura Shinichi