どもどもパパ像です。自己紹介はこちら。今回のテーマは、米国株のサテライトに最適なおすすめセクターETF参戦です。

コロナショックを経て、最近はIT銘柄や医薬品銘柄の人気が高まっていますね。この人気ぶりを見て悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。S&P 500やVTIには投資をしているけれど、成長分野の割合をもっと増やした方が良いのではないだろうか。また逆に、S&P 500だけだとIT銘柄の割合が大きすぎるので、他の分野の割合を増やした方が良いのではないかと不安をお持ちの方もいるでしょう。

そんな時はセクターETFの活用を検討してみても良いでしょう。セクターETFって何?そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回はセクターETFとおすすめのセクターETF参戦、そしてセクターETFの注意点についてご紹介します。セクターETFを使えるようになると投資の幅が広がり、ポートフォリオをもっと自分好みにカスタマイズできるでしょう。S&P 500を超えるリターンも狙えるかもしれません。それでは早速、一緒に学んでいきましょう。

セクターETFとは何か?

まずETFとは、特定の指数に連動する成果を目指す上場投資信託です。指数としては例えばS&P 500やCRSP米国総合指数などが有名です。S&P 500に連動するETFの一例がVOOですし、CRSP米国総合指数に連動するETFの一例がVTIです。セクターETFは特定の業種からなるグループの株式指数に連動します。セクターとはいくつかの業種からなるグループのことです。ある特定の業種の株式を詰め合わせたパッケージ商品というイメージですね。

仮に個別株を料理のメニューに例えてみましょう。VTIは米国に上場しているすべての株式のパッケージです。料理に例えれば、米国で食べられるすべてのメニューの積み合わせパックになります。VOOはその中でも売れ筋のメニュー500種類を詰め合わせたパッケージです。マルゲリータピザやチーズバーガー、肉まんなど、いろいろな人気料理を少しずつ食べられるイメージでしょうか。500種類もあれば十分にバラエティー豊かですね。一方でセクターETFは特定の種類の料理だけを詰め合わせたパッケージです。いろいろなピザの詰め合わせ、いろいろなハンバーガーの詰め合わせ、いろいろな中華の詰め合わせ。パッケージごとにテーマはありますが、そのテーマの中では複数の料理を食べられます。特定のジャンルの料理の中でいろいろな種類を食べたい時に重宝しますね。セクターETFも同じイメージです。特定の業種の中で複数の企業に投資したい時に便利ですね。

具体的なセクターETFの例

ここではヴァンガード社が販売しているセクターETFをまとめました。全部で11種類あります。それぞれの概要と組み入れ比率上位3位までの銘柄を簡単に見ていきましょう。

1. エネルギーセクター – エネルギー資源を扱う業種です。上位の銘柄はエクソンモービル、シェブロン、コノコフィリップスです。エネルギー価格に大きな影響を受けるものが多いです。

2. 素材セクター – 化学品や金属、紙製品などを扱うメーカーが多いです。上位銘柄はリンデ、エアプロダクツアンドケミカルズ、シャーウィンウィリアムズです。

3. 資本財セクター – 産業向けの製品やサービスを扱っています。上位3社はハネウェルインターナショナル、ユナイテッドパーセルサービス、レイセオンテクノロジーズです。

4. 一般消費財セクター – 消費者向けの製品サービスなどです。上位銘柄はアマゾン、テスラ、ホームデポです。

5. 生活必需品セクター – 食品や飲料、タバコ、スーパーマーケットなどが含まれます。上位銘柄はプロクターアンドギャンブル、ウォルマート、コカコーラです。

6. ヘルスケアセクター – 医薬品や医療機器、医療サービスを扱っています。上位銘柄はジョンソンエンドジョンソン、ユナイテッドヘルスグループ、ファイザーです。

7. 金融セクター – 銀行や金融サービス、保険などが該当します。上位3社はJPモルガンチェース、バークシャーハサウェイ、バンクオブアメリカです。

8. 情報技術セクター – ハードウェアやソフトウェア、半導体などを扱う企業です。上位銘柄はアップル、マイクロソフト、エヌビディアです。

9. コミュニケーションサービスセクター – 電気通信やSNS、エンターテインメントなどが該当します。上位銘柄はアルファベット、フェイスブック、ウォルトディズニーです。

10. 公益事業セクター – 電気やガス、水道などのインフラを扱う企業群です。上位銘柄はネクステラエナジー、デュークエナジー、サザンカンパニーです。

11. 不動産セクター – 不動産を扱う企業からなります。上位銘柄はヴァンガードリアルエステートETF、アメリカンタワー、プロロジスです。

セクターETFごとのリターン

米国株のリターンはこの数十年、世界株を上回っています。しかし、米国株だからといってどのセクターも強いわけではありません。強いセクターもあれば、弱いセクターもあります。ここでセクターETFごとの推移を見てみましょう。期間は2012年から2021年までの10年間です。

現在成績が良いセクターは情報技術、一般消費財、ヘルスケアとなっています。このグラフは分配金を考慮していませんが、分配金を考慮しても同じ順番になります。いずれも10年前に買っていたら常にVTI以上のリターンを得られたということですね。

一方で成績の芳しくないセクターも見てみましょう。上から順番に公益事業、不動産、エネルギーとなっています。不動産セクターは分配金が多いため、分配金を考慮したトータルリターンは公益事業をわずかに上回りますが、それでもVTIのリターンには及びませんでした。

おすすめのセクターETF

おすすめのセクターETFは次の3つです。ティッカーはVGT、VHT、VCRです。経費率はいずれも0.1%と低く、この10年の年平均リターンはVGT、VCR、VHTの順に優れています。構成銘柄数はいずれも約300を超え、十分に分散されています。

1. VGT(情報技術セクターETF)
情報技術セクターに投資するETFです。ソフトウェア、ハードウェア、半導体などの業種を扱います。VGTの強みは、米国が最も得意とする産業をカバーするという点です。IT技術による社会変革は現在の産業革命といっても良いでしょう。VGTのトータルリターンをVTIと比較すると、VGTは約7.3倍になっています。特にコロナショック以降で大きく伸びたことがわかります。

2. VHT(ヘルスケアセクターETF)
ヘルスケアセクターに投資するETFです。医薬品メーカーに加え、保健医療企業やヘルスケア用品などの企業にも投資します。VHTのトータルリターンをVTIと比較すると、VHTは約4.6倍になっています。ヘルスケアはディフェンシブなセクターと言われ、コロナショックでもVTIが21%下落したのに対して、ヘルスケアは13%の下落でした。高齢化の進展に伴い、ディフェンシブランス成長が期待されています。

3. VCR(一般消費財セクターETF)
一般消費財に投資するETFです。消費に関係する様々な企業から構成されています。VCRのトータルリターンをVTIと比較すると、VCRは約5.7倍になっています。VCRはコロナショック後に大きく伸びたことがわかります。消費の拡大に伴う利益を享受できるETFと言えるでしょう。

セクターETFの注意点

セクターETFを活用するにあたり、次のような注意点があります。

時の流れを見ることが重要

セクターETFには流行り廃りがあります。例えば1995年では情報技術セクターの割合は10%ほどしかありませんでしたが、現在では大きな割合を占めています。このようにセクターETFは完全にほったらかしというわけにはいきません。個別株ほどではありませんが、トレンドを見極める必要があります。国の制度や流れが変わった時には、適宜方向性を修正していくと良いでしょう。

運用会社ごとの違い

セクターETFには運用会社ごとの違いがあります。例えば、ヴァンガード、ステートストリート、ブラックロックの3社があります。ヴァンガードは米国の大型株から小型株までが対象で、経費率が最安です。ステートストリートはS&P 500採用銘柄のみが対象です。ブラックロックはセクターの種類が多く、全世界の株に投資できます。目的に応じて使い分けていくと良いですね。

関連する質問と回答

セクターETFとは何ですか?

セクターETFは特定の業種からなるグループの株式指数に連動するETFです。特定の業種の株式を詰め合わせたパッケージ商品としての役割を果たします。

どのセクターETFが最もリターンが良いですか?

過去10年で最もリターンが良いセクターETFは情報技術セクター(VGT)です。次いで一般消費財(VCR)、ヘルスケア(VHT)が続きます。

セクターETFの注意点は何ですか?

セクターETFには流行り廃りがあり、完全にほったらかしにはできません。トレンドを見極める必要があります。また、運用会社ごとの違いも確認することが重要です。

セクターETFはどのようにポートフォリオに組み込むべきですか?

VTIやS&P 500をコアにし、サテライトとしてセクターETFをトッピングすることで、効率的にリターンを狙うことができます。

運用会社ごとのセクターETFの違いは何ですか?

ヴァンガードは米国の大型株から小型株までが対象で経費率が最安です。ステートストリートはS&P 500採用銘柄のみが対象です。ブラックロックはセクターの種類が多く、全世界の株に投資できます。目的に応じて使い分けると良いでしょう。

以上、今回の内容がこれからの投資戦略の参考になれば幸いです。お友達に紹介していただいたり、記事にいいねやチャンネル登録をしていただけるととっても励みになります。皆さんの投資活動を応援しています。共に頑張りましょう!

投稿者 Nakamura Shinichi