今回のテーマは、初心者が手を出してはいけない米国株についてです。投資信託やETFをすでに購入されている方が、個別株に挑戦したいけれども不安でいっぱいな場合、避けるべき銘柄の種類とその理由を解説します。初心者にとって、頻繁に値動きを確認したりニュースを追う必要のある株は、日常生活に支障をきたす可能性があります。特に、米国市場は値幅制限がないため、急激な値動きがしばしば見られます。ここでは、そのような銘柄を避けるための具体的な例とアドバイスを紹介します。
目次IPO(新規公開株)
IPOは、新規に証券取引所に上場し、投資家が自由に売買できるようになった株式のことです。日本では、上場直後に株価が急騰することがしばしば見られますが、米国株ではそう簡単にはいきません。特に日本からの投資家がIPOを購入できるのは、大抵の場合、上場後の初値が付いた後からです。このため、高値で掴んでしまうリスクが高く、株価の値動きも不安定です。
一例として、ゲームエンジンを提供する企業であるUnity Software(ティッカーシンボル:U)は、2020年9月に上場し、株価はしばらく上昇しました。しかし、ロックアップ期間が解除された後、株価は下落傾向にあり、初心者にとっては心が休まらない状況です。
SPAC(特別買収目的会社)
SPACは、実際の事業を行っていない企業が上場し、その後にベンチャー企業などの未上場企業を買収するために資金を調達する仕組みです。最近では、金融緩和の影響で余剰資金が流れ込み、設立してスポンサーに著名人が名を連ねることもあるため、過熱感があります。
しかし、買収先企業としてニュースで騒がれている場合でも、それが単なる噂かもしれず、株価は噂や思惑で動くことが多く、非常にボラティリティの高い投資先となります。初心者は入手できる情報も少なく、想定外のことが起こることを考慮しなくてはならないため、避けるべきです。
Meme株
Meme株とは、SNSやインターネットの掲示板で話題となっている銘柄のことです。2021年1月、Redditというインターネット掲示板のウォールストリートベッツというチャンネルで、ゲームストップ(ティッカーシンボル:GME)という銘柄が注目されました。株価は一気に上昇し、その後も乱高下を繰り返しました。
このような株は、業績とは関係なく株価が動くため、投機性が高く、初心者にとってはリスクが大きいです。誰かが買っていたから買う、流行っているから買うのではなく、自分自身で考えて買うことが大切です。
ADR(米国預託証券)
ADRは、米国市場で売買できる外国企業の証券のことです。例えば、中国のネット通販最大手アリババ(ティッカーシンボル:BABA)や、中国の電気自動車メーカーNIO(ティッカーシンボル:NIO)などがニューヨーク証券取引所に上場しています。
これらの企業は、イノベーションを起こす可能性がある大変注目される企業ですが、中国国内のネット規制や米中関係の赤字から上場廃止のリスクもあります。政治的なリスクが大きく、業績とは別の要素で株価が上下するため、初心者は避けるべきです。
高配当減配株
高配当株は、株価も安定していると言われていますが、減配のリスクもあります。特にエネルギー株は、原油価格の低迷に苦しみ、コロナショックで減配が相次ぎました。代表的な例として、エクソンモービル(ティッカーシンボル:XOM)、ロイヤルダッチシェル(ティッカーシンボル:RDS.B)、BP(ティッカーシンボル:BP)などがあります。
これらの企業は、原油価格の影響を受けて株価が下がり、減配も行われました。初心者は、その企業の将来性成長性をよく吟味し、安定した企業を選ぶことが重要です。
関連する質問と回答
Q: IPOとSPACの違いは何ですか?
A: IPOは、新規に証券取引所に上場し、投資家が自由に売買できるようになった株式のことです。一方、SPACは、実際の事業を行っていない企業が上場し、その後に未上場企業を買収するために資金を調達する仕組みです。
Q: Meme株とは何ですか?
A: Meme株は、SNSやインターネットの掲示板で話題となっている銘柄のことです。業績とは関係なく、情報や噂が一気に拡散され、株価が急変動します。
Q: ADRのリスクは何ですか?
A: ADRのリスクは、政治的な要素や国際関係の影響を受けることです。特に中国株のADRは、米中関係の変動や中国国内の規制の影響を受けやすいです。
Q: 高配当株の減配リスクについて教えてください。
A: 高配当株は、株価が安定していると言われますが、減配のリスクもあります。特にエネルギー株は、原油価格の低迷やコロナショックの影響で減配が相次ぎました。
Q: 初心者が避けるべき米国株の特徴は何ですか?
A: 初心者が避けるべき米国株の特徴は、頻繁に値動きを確認する必要がある銘柄や、噂や思惑で株価が動く銘柄、政治的リスクが大きい銘柄、減配リスクが高い銘柄です。