インフレと円安の時代に仕込むべき銘柄5000
インフレという言葉をよく耳にするようになりました。そして約20年ぶりの円安でもあります。円安はこれからも長期で続くと考えられ、その環境下で米国株投資をすることは長い目で見て有利になるでしょう。そこで、インフレと円安の環境で狙い目な銘柄を考えてみました。
インフレは英語の「インフレーション」を略した言葉で、通貨の価値が下がり物の価値が上がることを指します。例えば、今まで100円で買えていたものが200円になると、お金の価値が半分になったということです。この例は極端ですが、米国では2022年に入って約40年ぶりの高いインフレが起きています。
米国労働省は毎月前月の消費者物価指数(CPI)を公表しています。2022年3月のCPIは前年同月比でプラス8.5%の上昇でした。CPIはたくさんの要素から構成され、変動が大きいエネルギーと食品を除いたものを「コアCPI」と言います。こちらも2022年3月は前年同月比でプラス6.5%でした。どちらも約40年ぶりの高い伸び率だったのです。
目次インフレの現状と原因
過去1年間、CPIはずっと前年比で上昇し続けており、上昇率も右肩上がりです。品目別にみると、家庭用の食料品やガソリンなどのエネルギー価格の上昇が著しいです。1つの要因はロシアのウクライナ侵攻による供給不安です。2022年2月以降、特にエネルギー価格の上昇が顕著です。
米国経済は2020年春のコロナショックから回復基調にあります。ワクチン接種後、人々が外出し始め、モノやサービスの需要が拡大しました。しかし、供給サイドは思うように回復していません。米国経済の供給サイドにおける最大の問題は人手不足です。国内の工場やトラック会社、倉庫などがフル稼働できるだけの人材を雇用できず、生産や出荷が遅れがちになっています。この供給不足が物価上昇の圧力を強めています。
FRBの対応と金利の影響
インフレが進行する中、米連邦準備制度理事会(FRB)はお金の価値を上げるための政策を打ち出しています。それが「金利の引き上げ」です。金利を上げることで、多くの人が銀行に預金し、世の中に出回るお金が少なくなります。つまり、お金が貴重品になるのです。
2020年春のコロナショック以降、FRBは量的緩和という方針をとり、マーケットにお金を供給してきました。その結果、株式などのリスク資産にお金がたくさん入り、米国株市場は史上最高値を記録しました。しかし、その後インフレが起き始めたため、FRBは2021年11月から量的緩和の規模を縮小し、2022年には金利を引き上げると発表しました。これにより、経済が冷え込み、インフレが収まり始めることをFRBは目論んでいます。
ドルと円の関係
お金はリターンが高いところに向かいます。為替取引で言えば、金利の高い通貨は皆が欲しがります。だから金利が上昇している米ドルを欲しがる人が増えます。さらに、日本は食料や資源の多くを輸入に依存しており、その取引の決済に米ドルが使われることが多いです。日本は金利が高くても低くてもドルを買う必要がある国なのです。さらに、資源や食料価格が上昇しているため、より多くの米ドルが必要です。これにより、円を売ってドルを買う需要が増え、円安ドル高が続くと考えられます。
インフレ時の投資戦略
インフレ時に何を買えば良いのか、急に言われてもわかりませんよね。そんな時のヒントになるのが、インフレで恩恵を受けると考えられる米国株に投資するETFです。いくつかのETFを眺めてみましょう。
インフレーション・ベネフィシャリーズETN(INFL)
インフレーション・ベネフィシャリーズはインフレで恩恵を受ける企業に投資するETNです。2021年1月に設定されたばかりですが、インフレが激しくなる中で好調に推移しています。このETNはアクティブ運用であり、特定のインデックスに連動していません。主に不動産、農業、エネルギー、貴金属、ヘルスケアなどの分野に投資しています。
アクシス・アストリア・インフレーション・センシティブETF(PPI)
インフレーション・センシティブETFはインフレに敏感な資産に投資するETFです。2021年12月に運用を開始し、エネルギー関連企業や鉄鋼メーカーに高い比重を置いています。このETFもアクティブ運用であり、特定のインデックスに連動していません。
インフレに強い銘柄5000
これらのETFの中から、インフレの恩恵を受けやすいと考えられる5つの銘柄を紹介します。
1. インターコンチネンタルエクスチェンジ(ICE)
ニューヨーク証券取引所などを傘下に持つインターコンチネンタルエクスチェンジ(ICE)は、インフレの恩恵を受けやすい銘柄です。証券取引所は取引量が増えると収益が増えるため、インフレ時には有利です。
2. フランコ・ネバダ(FNV)
フランコ・ネバダ(FNV)は非資源の採掘権を持つ企業で、貴金属や原油、天然ガスなどの採掘権を有しています。これらの資源の価格が上昇することで恩恵を受けるため、インフレ時には有利です。
3. アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)は穀物を取り扱う企業で、食料価格が上昇することで恩恵を受けます。特にロシアのウクライナ侵攻による供給不安が農産物の価格を押し上げており、今後も価格上昇が期待されます。
4. ニューコア(NUE)
ニューコア(NUE)は鉄鋼メーカーで、インフレ時には鉄鋼価格が上昇するため恩恵を受けやすいです。業績も安定しており、48期連続増配中の企業です。
5. iShares S&P GSCIコモディティ・インデックス・トラスト(GSG)
iShares S&P GSCIコモディティ・インデックス・トラスト(GSG)はコモディティに投資するETFで、エネルギー関連の割合が高いです。エネルギー価格の上昇が続く中、このETFはインフレ時に有利です。
まとめ
インフレは物の値段が上がってお金の価値が下がることです。米国では40年ぶりという高いインフレが続いており、FRBは金利の引き上げと量的緩和の縮小で対応しています。円安ドル高も続くと考えられ、インフレで恩恵を受ける分野に投資することが有利です。
紹介した5つの銘柄は、インフレ時に有利な企業を代表しています。これらの銘柄を参考に、投資戦略を立ててみてください。
関連する質問と回答
Q1. インフレが続く中での投資戦略は何ですか?
A1. インフレが続く中では、物価上昇による恩恵を受ける企業に投資するのが有効です。具体的には、エネルギー、農業、貴金属、不動産などの分野が考えられます。
Q2. 円安が続く中での投資戦略は何ですか?
A2. 円安が続く中では、米ドル建ての資産に投資するのが有効です。特に米国株やドル建てのETFが考えられます。
Q3. インフレ時に注意すべきリスクは何ですか?
A3. インフレ時には、金利の引き上げによる経済の冷え込みや、供給不足による物価上昇がリスクとなります。これらのリスクを考慮して投資を行う必要があります。
Q4. インフレに対抗するための具体的な投資商品は何ですか?
A4. インフレに対抗するためには、コモディティETFやインフレに強い企業の株式に投資するのが有効です。例えば、iShares S&P GSCIコモディティ・インデックス・トラスト(GSG)などが考えられます。
Q5. インフレが収まった後の投資戦略はどうすれば良いですか?
A5. インフレが収まった後は、成長性の高いハイテク企業や消費関連企業にシフトするのが有効です。経済が安定した後の成長分野に注目しましょう。