投資体験ブログ:新NISAと全世界株式指数の魅力と注意点

2024年にスタートした新しいNISA制度を使って、多くの人が全世界株式指数連動商品に投資しています。特にSBI証券では、2024年4月のNISA口座での月間積立設定金額が最も多かった投資信託が、三菱UFJアセットマネジメントの「マクシム全世界株式オールカントリー」でした。全世界株式に投資するというと、世界経済に対する安心感がありますが、実は知らなかったことがあるかもしれません。この記事では、全世界株式指数連動商品について詳しく解説していきます。

全世界株式指数連動商品が人気

全世界株式指数連動商品は多くの資金を集めています。三菱UFJアセットマネジメントの「マクシム全世界株式オールカントリー」の基準価格と純資産の推移を見ると、約1年で基準価格は約1.5倍、純資産は約3倍になっています。特に2024年1月以降、純資産が急増しています。この背景には、新しいNISA制度の影響も大きいでしょう。

NISA口座での投資信託の資金流入額は2024年1月に3000億円以上の新規資金が入り、その後も月ごとに4000億円程度の資金が流入しています。これだけの規模の資金が短期間で流入するのは、この商品がいかに人気であるかを示しています。

オールカントリーだけどオールカントリーではない

「オールカントリー」という名前からは全世界に投資していると感じるかもしれませんが、実際にはそうではありません。オールカントリーは日本を含む先進国と新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指す商品で、その指標となるのがMSCIオールカントリーワールドインデックスです。

この指数は先進国と新興国の株式市場の値動きを反映していますが、実は先進国や新興国以外にも「フロンティアマーケット」や「スタンドアロンマーケット」と呼ばれる区分があります。これらの市場は投資の対象外となっています。

MSCIの定義による区分

MSCIは世界の国々を地域別に3つ、区分として4つに分けています。地域はアメリカ大陸、ヨーロッパ・中東・アフリカ、アジア太平洋の3つで、区分は先進国(ディベロップ)、新興国(エマージング)、フロンティアマーケット、スタンドアロンマーケットの4つです。

この区分けは経済発展、市場の規模と流動性、外国からの投資のしやすさといった要素に基づいています。例えば、中国やインドは市場規模が大きくても外国からの投資に制約があるため、先進国には含まれません。ベトナムも新興国ではなくフロンティアマーケットに該当します。

オルカンの投資対象

オルカンの投資対象はMSCIが定義する先進国と新興国の合計47カ国です。外務省によると、世界には196カ国が存在しますが、オルカンはそのうちの約1/4にしか投資していないのです。つまり、オールカントリーと呼ばれても、実際には投資対象は一部に限られています。

新興国は全体の1割程度の割合でしかありません。オルカンは時価総額加重平均株式指数であり、時価総額が大きい銘柄のウェイトが高くなります。結果的に、米国株がオルカンの6割以上を占めることになります。

米国株の影響が大きい

オルカンの6割以上は米国株で構成されています。これは、時価総額加重平均の特性によるものです。世界の株式時価総額ランキング上位15位のうち、3銘柄を除いて全て米国株です。

オルカンの長所は新興国のリターンも享受できる点ですが、それでも新興国全体の割合は1割程度です。例えば、インドの株式市場が著しく成長しても、オルカン全体のリターンに与える影響はわずかです。

リターンの比較

オルカンと米国株のみで構成されるS&P500のリターンを比較してみましょう。過去5年間では、S&P500が2.7倍に対して、オルカンは2.3倍でした。短期的な3ヶ月の比較では、ややオルカンが強い結果となりました。

どちらが良いかという議論もありますが、どちらも悪い指数ではありません。それぞれの特徴を理解した上で、自分の好みに合わせて選ぶことが大切です。

投資のリスクとリターン

オルカンもS&P500も株式指数であり、値動きがあります。常に資産が増えることを保証するものではありません。投資した金額は使ってしまったぐらいの気持ちで、長期間投資を続けることが重要です。新しいNISA制度は、長期間の投資をサポートするためのものです。

長期間インデックス投資をするための心構え

インデックス投資を成功させるためには、投資したら忘れるくらいの気持ちでいることが大切です。資産形成中は投資したお金に手をつけないことが重要です。生活費の6ヶ月分は預貯金などで確保し、それを超えるお金を投資に回すと良いでしょう。

関連する質問と回答

1. 新NISA制度はどのように変更されたのですか?

2024年にスタートした新NISA制度は、非課税期間が無期限となり、積立投資枠と一般投資枠が統合されました。これにより、投資家はより長期間にわたって投資を続けることが可能となり、資産形成の自由度が増しました。

2. オルカンの投資対象が47カ国に限られている理由は何ですか?

オルカンの投資対象が47カ国に限られているのは、MSCIの定義による区分に基づいています。MSCIは世界の国々を経済発展、市場の規模と流動性、外国からの投資のしやすさなどの要素で区分しています。そのため、投資の対象とならない国々も存在します。

3. オルカンとS&P500のリターンの違いは何ですか?

オルカンとS&P500のリターンの違いは、その構成銘柄と地域の違いに由来します。オルカンは全世界の先進国と新興国に分散投資しているのに対し、S&P500は米国株のみで構成されています。過去5年間のリターンでは、S&P500がオルカンを上回る結果となっています。

4. 投資信託の平均保有期間が短い理由は何ですか?

金融庁のデータによると、投資信託の平均保有期間は約2年です。この短期間で解約する理由としては、期待したリターンが得られなかった、急な資金需要が発生した、投資方針が変わったなどが考えられます。長期的な視点での投資が重要です。

5. 長期間インデックス投資を続けるためのポイントは何ですか?

長期間インデックス投資を続けるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

  • 投資したら忘れるくらいの気持ちでいること。
  • 生活費の6ヶ月分を預貯金などで確保してから投資を始めること。
  • 無理のない金額でコツコツ積み立てること。
  • 他人と比較せず、自分のペースで続けること。

これらを実践することで、長期的に資産を増やすことが可能となります。

この記事があなたの投資戦略に役立つことを願っています。

投稿者 Nakamura Shinichi