米国インデックス投資は長期運用が基本です。そうすることでじっくりリターンが得られます。米国インデックス投資からのリターンは確実性が高いです。過去の成績が証明していますね。インデックス投資だけでじっくりと資産を築くことが可能です。しかし、投資に慣れていくとさまざまな誘惑や欲望に駆られます。そして時として自ら資産を減らす行動をとってしまいます。

特にこれから投資を始めようと思っている人、当初始めたばかりという人。このような方にぜひ知っておいて頂きたい情報を今回お伝えします。

投資を始めたばかりの人が陥りやすい罠はいくつかあります。今回はそれを次の7つにまとめました。

一度に大金をつぎ込んでしまう

手元にまとまった資金があるからと言って、すべて投資に回すのは避けた方が良いです。例えば、宝くじで大金を得た、親から相続でまとまった資金を受け取った、生命保険を解約してかなりの金額が預金口座に入ったなど、短期間で早くお金を増やしたいという気持ちからまとまったお金を一気に投資するのは危険です。

株式相場には、大きく分けて「トレンド相場」と「ボックス相場」の2種類があります。一括投資をすると、トレンド相場では利益を得ることができるかもしれませんが、ボックス相場や下降トレンドでは大きな損失を被る可能性が高いです。

投資を始めたばかりの人は、精神的に耐えられない場合が多く、一括投資は避けるべきでしょう。代わりに、時間をかけて分散投資を行うことが重要です。例えば毎月定額を積立てるなど、リスクを分散させる方法が賢明です。

特定の銘柄に集中投資をしてしまう

一つの銘柄に全財産を投資する方法はリスクが高いです。例えば、「A社の株価が上がると聞いたから全財産を投資する」といった行動は避けるべきです。集中投資は大きな利益を狙えますが、同時に大きな損失を被るリスクも伴います。

2020年のコロナショックを例に、Zoomビデオコミュニケーションズ(ティッカーシンボル:ZM)は急成長しましたが、その後株価は大きく下落しました。急激に上昇する株価に飛びつくと、後で大きな損失を被る可能性が高いです。

分散投資を意識することで、リスクを分散させることが重要です。時間の分散と対象の分散を行うことで、投資リスクを低減させることができます。

信用取引に安易に手を出してしまう

手元に資金があまりないけど短期間で大きく儲けたいと考える人が活用する投資手段として信用取引があります。信用取引は、現金や株式を担保として証券会社に預け、証券会社からお金を借りて株式を買う、または株券を借りてそれを売るという取引方法です。

信用取引の特徴は、自分の資産以上に売買できることです。予想が的中すれば、法律的に資産を増やすことができますが、反対に予想が外れれば大きな損失を被ることになります。特に、レバレッジをかけた取引はリスクが高く、投資額以上の損失を被る可能性もあります。

信用取引は上級者向けの投資手段であり、初心者にはお勧めできません。米国株投資をされている方はご安心ください。米国株ではこのような信用取引ができません。

レバレッジ商品に多めに投資してしまう

レバレッジ商品とは、小さな力で大きなものを動かす仕組みのことです。レバレッジ商品は、先物などを使って指数の2倍、3倍の値動きを実現したものです。レバレッジ商品は投資家に人気がありますが、値動きが激しいため初心者には向いていません。

レバレッジ商品でリターンを得るためには、上昇局面であることが重要です。ボックス相場では、レバレッジの分だけ下げた株価は戻りにくくなるため、結果として徐々に取引価格が下がります。リスクが高いものがレバレッジ商品と認識しておくと良いでしょう。

レバレッジ商品に投資したい場合は、リスクと仕組みをしっかり理解した上で投資するようにしましょう。また、レバレッジ商品を投資のコアとするのではなく、サテライトとして運用することをお勧めします。

話題急騰銘柄に手を出してしまう

人気がある話題になっている銘柄をついつい買ってしまうことがあります。ショッピングではよくあることですが、投資の世界でも同様です。短期間で株価が急上昇している銘柄は特に注目を浴びますが、投資を始めたばかりの人がこれらの銘柄に手を出すのは危険です。

急騰銘柄は、その後急落することが多いです。例えば、2020年に急騰したカナダの医療用大麻製造販売会社、ティルレイ(ティッカーシンボル:TLRY)は、短期間で急上昇した後、急落しました。話題急騰銘柄への投資は避けるべきです。

投資界隈では、材料株を対象に売買を繰り返す「イナゴ投資家」と呼ばれる人たちがいます。投資を始めたばかりの人は、このような投資手法には手を出さないように注意しましょう。

SNS等の情報に流されてしまう

投資をやっていると、他の人がどのような株を売買しているのか気になるものです。そのため、SNSやニュースサイトの情報、掲示板などで他の投資家の意見や情報を得ようとします。しかし、他人の言葉を鵜呑みにして投資をするのは危険です。

ネットの情報は玉石混交であり、情報の真偽を見抜く力が必要です。投資判断をSNSなどのネット情報に100%頼ってはいけません。自分で情報収集し、判断することが重要です。

初心者の方は、SNSなどから距離を置き、淡々と良い銘柄に投資していくことが望ましいです。

途中で投資の目的がぶれてしまう

投資の目的や目標が明確でないと、市場の動きに敏感に反応してしまい、暴落時に慌てて売ってしまうことがあります。例えば、高配当株投資を始めたが途中でグロース株投資も始めた、安全に運用するためにインデックス投資をしていたが、増加ペースに満足せずレバレッジ商品を積み立てるなど、目的がぶれてしまうことが多いです。

投資の目的や目標を明確に持つことが重要です。例えば、「30年先の老後資金として2000万円用意したい」「生活の質を上げたいので年間60万円の配当金を目指して高配当株に積立投資をする」など、はっきりした目的を持つことで、暴落時にも冷静に対応できます。

投資を行っている以上、暴落は避けられません。暴落時にしっかり耐えられるよう、投資の目的や目標を定めておくことが大切です。

まとめ

今回は、投資を始めたばかりの人が陥りがちな危険な罠7選についてお話しました。

1. 一度に大金をつぎ込んでしまう
2. 特定の銘柄に集中投資をしてしまう
3. 信用取引に安易に手を出してしまう
4. レバレッジ商品に多めに投資してしまう
5. 話題急騰銘柄に手を出してしまう
6. SNS等の情報に流されてしまう
7. 途中で投資の目的がぶれてしまう

これらの罠に陥らないためには、次の7つのことを心がけましょう。

1. 時間を分散して投資する
2. 投資対象を分散させる
3. 慣れないうちは信用取引を極力避ける
4. レバレッジ商品はリスクと仕組みを把握してサテライトで運用する
5. 話題急騰銘柄への投資は避ける
6. 投資判断をSNS等のネットに100%委ねない
7. 投資を始める前にしっかりと目的目標を定める

これらを意識して投資を行えば、危険な罠にはまることなく安全に資産形成ができるでしょう。

関連する質問と回答

1. 投資を始めたばかりの人が一括投資を避けるべき理由は何ですか?

一括投資は、投資タイミングが悪いと大きな損失を被る可能性があります。特に投資を始めたばかりの人は、精神的に耐えられない場合が多く、時間をかけて分散投資を行うことが重要です。

2. 分散投資のメリットは何ですか?

分散投資のメリットは、リスクを分散させることで元本割れの危険性や相場のうねりによるダメージを少なくすることができる点です。時間の分散と対象の分散を行うことで、リスクを低減させることができます。

3. 信用取引のリスクは何ですか?

信用取引は、自分の資産以上に売買できるため、予想が外れた場合に大きな損失を被るリスクがあります。特に、レバレッジをかけた取引は投資額以上の損失を被る可能性があり、初心者には向いていません。

4. レバレッジ商品の注意点は何ですか?

レバレッジ商品は値動きが激しく、投資を始めたばかりの人には向いていません。リスクと仕組みをしっかり理解した上で投資する必要があります。また、レバレッジ商品を投資のコアとするのではなく、サテライトとして運用することをお勧めします。

5. 投資の目的を明確に持つことの重要性は何ですか?

投資の目的や目標を明確に持つことで、市場の動きに敏感に反応せず、暴落時にも冷静に対応できるようになります。目的や目標を持つことで、投資の軸がぶれることなく、長期的に安定した資産形成が可能となります。

投稿者 Nakamura Shinichi